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介護現場で活用進む「VR認知症体験」でパニックの理由を理解する

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認知症患者が突然怒り出したり、パニックを起こしたりする行動は、介護する側にとって理解が難しく悩みの種になりがちです。近年、介護分野では、VRを用いて認知症のある人の視点を疑似体験する取り組みが行われています。本記事では、パニックの原因となる症状の理解や、VR導入のメリット、実際の体験事例を解説します。

なぜ認知症患者はパニックになるのか?VR体験で理解する当事者の世界

認知症患者がパニックを起こす背景には、当事者にしか見えない恐怖が存在します。たとえば視空間失認の症状がある場合、距離感が正しく認識できず、車から降りるだけでもビルの屋上に立たされているような恐怖を感じることがあるのです※1

さらに、存在しない虫がうごめいて見える幻視や、今自分がどこにいるのか分からなくなる見当識障害が重なると、激しい不安と混乱に襲われます。こうした世界を本人が生きていると知ることで、不可解に思えたパニック行動の理由が明確になるのです。

介護現場にVR認知症体験を導入するメリット

介護現場でVR認知症体験を活用することで、認知症のある人の感じ方や行動の背景を考える機会を設けられる可能性があります。

当事者の気持ちに寄り添う疑似体験

介護者がVRを通じて患者の視点を体験すると、「困った人」と捉えるのではなく行動の背景を考えるきっかけになります。当事者が日々感じている恐怖や不安を自分のこととして受け止められるため、行動を頭ごなしに否定しない適切な接し方へと変わるでしょう。こうした学びを日々のケアに生かすことで、認知症のある人への接し方を見直すきっかけになることが期待されます。

回想法やケアへの貢献

VRはスタッフの研修にとどまらず、患者本人のケアにも有効に活用できます。回想法では、写真や映像などを活用して過去の記憶を振り返る取り組みです。VRを用いた回想体験も、その方法の一つとして活用されています。

パニックや恐怖を実感!VR認知症体験の具体例

実際のVR認知症体験プログラムや、企業・メディアによる取り組みには、当事者の視点をリアルに再現するさまざまな工夫が凝らされています。代表的な事例を確認することで、現場での活用イメージがより具体化します。

幻視や視空間失認の疑似体験プログラム

シルバーウッドが提供するプログラムでは、車から降りる際にビルの屋上の端に立たされるような視空間失認の恐怖を疑似体験が可能です。さらに、ケーキの上に無数の虫がうごめいているように見えてパニックに陥る幻視の体験など、患者が直面している恐怖を一人称視点でリアルに再現しています。

様々な企業・メディアでの取り組み事例

介護現場以外でも、認知症への理解を深める取り組みも行われています。イギリスの企業「Virtue」は、患者の年代に合わせた思い出の場所をVRで体験できる回想法向けシステムを提供。また、朝日新聞社が主催する「認知症フレンドリープロジェクト」のVR体験講座など、共感を広げる動きが活発化しています。

VR導入時のデメリット・注意点と解決策

介護現場への導入にあたっては、機器の購入やレンタルに伴う初期費用がかかる点や、デジタル機器に不慣れな高齢者にとって使いこなすのに慣れが必要である点が懸念されます。しかし、これらのハードルは、適切なサポートを用意することで、VRを活用しやすくなるでしょう。

まとめ

認知症患者のパニック行動には、当事者が感じている恐怖や不安が関係しています。VRによる疑似体験を通じて気持ちに寄り添うことが、適切なケアと双方の負担軽減につながるでしょう。