介護現場へのVR導入を検討する際、VRと並んで紹介されることの多い「MR」という技術との違いについて、どのような差があるのか疑問を持つ担当者もいるのではないでしょうか。
これらはそれぞれ特徴が異なり、施設の用途や運用方法によって適した選択肢が変わります。本ページでは、VRとMRにおける技術的な違いと、介護現場での選び方を分かりやすく解説します。
VRは、ヘッドセットによって視界全体を映像で覆う仕組みが特徴です。外出が難しい利用者でも現実から離れたような体験ができるため、旅行映像や過去の風景を思い出す回想コンテンツなどに利用されるケースがあります。
MRは、実際の周囲の景色を見ながら、デジタル映像や情報を重ねて表示する仕組みです。利用者が周囲の状況を確認しながら使用できる点が特徴で、VRとMRでは活用される場面や運用方法にも違いがあります。
視界全体を映像で覆うため、旅行体験などで没入感を得やすい点が特徴です。ただ、利用中は周囲が見えにくくなるため、スタッフによる見守りや安全管理の徹底が必要となります。
現実の空間にデジタル映像を重ねて表示できるため、周囲を確認しながら利用しやすい点が特徴です。ただし、対応機器や運用環境が限定されるケースもあり、導入時の準備やコスト面でハードルが高くなる場合があります。
映像の中に入り込むような体験を活かし、レクリエーションや回想体験などに利用されます。たとえば、昔訪れた観光地の映像を体験しながら、会話のきっかけづくりに活用するといった使い方です。
動作支援や作業補助などの場面で利用されるケースがあります。歩行の誘導や作業の手順、位置情報を現実の空間にデジタル映像で表示することにより、利用者の自立支援や日常の作業をサポートします。
専用機器とコンテンツがあれば始められるものも多く、比較的導入しやすい傾向があります。機器を装着してコンテンツを選ぶだけで利用できるなど、操作もシンプルな構成で、レクリエーションなどの日常業務に組み込みやすい点が特徴です。
現実空間に映像や情報を重ねて表示するため、利用する場所や周囲の環境に合わせた事前の設定が必要です。導入だけでなく環境整備にも費用がかかるため、コスト面での検討が必要となります。
介護現場での使い分けを考える際、旅行体験や回想など、体験型のレクリエーションを重視する場合はVRが選択肢となります。また、動作支援や作業支援などで現実との連動が必要な場合は、MRが適している場合があります。
実際の現場では、運用手順がシンプルで始めやすいVRから導入し、必要に応じてMRの活用を検討するケースが多い傾向にあります。
VRとMRは、それぞれ特徴や活用場面が異なるため、目的に応じて使い分けることが重要です。体験型のレクリエーションを重視するのか、現実空間と連動した活用を行いたいのかによって、適した選択は変わります。現場で継続して運用できるかも踏まえながら比較検討し、自施設に合った導入方法を選んでいきましょう。
介護向けVRは、利用者の機能訓練に使うものもあれば、職員教育や対応力向上に活用するものもあり、製品によって目的や使い方が大きく異なります。
そのため当メディアでは、「誰に使うか」という観点でVR製品を整理し、介護現場での活用方法や導入時のポイントを紹介しています。
自施設に合った介護VR製品選びの参考にしてください。
介護分野におけるVR製品はまだ数が多くありません。利用者・入居者用の製品は楽しみながら続けられる「継続性」や転倒リスクなどに配慮した「安全性」、介護職員用の製品は実際の現場を疑似体験できる「リアリティ」、研修の学びを次に活かす「再現性」、それぞれの観点から適した製品を紹介します。